二世帯住宅が増えているとはどういうことか

複数の世帯が同居している状態の家族のことを、複合家族と言います。かつて日本では、この複合家族が当たり前でした。「家」という制度が今よりもずっと重視されていたからです。しかし戦後になって「家」制度の束縛が弱くなったことで、核家族化が進行してゆきました。もっとも、核家族化が進んだ原因はそればかりではありません。都会に出てきた若者が自らの世帯を持ち始めたことも大きな要因になっています。そして月日は流れ、新しく生まれた核家族の子供世代が新たな世帯を持ち始めます。その中で、問題になったのは親世代の老いた核家族でした。「誰が彼らの面倒を見るのか」という問題が取り沙汰される中、三重の二世帯住宅が再び注目されるようになってきているのです。新築の住宅を建築する際、「親との同居」を前提として設計することは今や珍しくなくなってきています。日本の家族のあり方は、核家族を経て再び複合家族に回帰しつつあるのです。近年の二世帯住宅新築ラッシュは、それを物語る大きな証拠と言えます。

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